今月紹介する本
・街とその不確かな壁 (著者)村上春樹
文庫化されてから読もうかと思っていましたが辛抱ならず購入しました。
【街とその不確かな壁】
「きみとぼく」、名前がわからないままストーリーは始まります。
また、場所もわからない。
コンクールで出会った17歳の「ぼく」と16歳の「きみ」。
「きみ」が語る物語、そこにもう一人の「きみ」がいて、そこに「ぼく」が行くことになる?
本当の「きみ」は「ぼく」のことを知らない?
なんとも村上ワールドかな〜っていうような展開で話が進んでいき、
これまでよりもファンタジー感満載ですね。
三部構成になっています。
第一部は「きみ」がいなくなって歳をとった「ぼく」があることをきっかけにもう一人の「きみ」が
いる(いなくなる前の「きみ」が話していたであろう)高い壁に囲まれた街で過ごすことになった「ぼく」。
このままもう一人の「きみ」とこの街で生きていくのか?
第二部は現実世界に戻った?「ぼく」は都会を離れ地方の図書館で働くことに。
そこでも不思議な出会いや素敵な出会いがあり、ある「少年」とあの高い壁に囲まれた街のことで
コミュニケーションをとっていくことに。
第三部は「少年」が姿を消してから、舞台があの高い壁に囲まれた街に戻ります。
ここにも「ぼく」は存在しており、「少年」と出会うことで「私達読者もこの街にいる「ぼく」と
現実世界の「ぼく」の存在(なぜそうなったか)を窺い知ることができてきました。
・・・多少ネタバレになってしまってすみません。でもそうしないと説明できません・・・
さあ、「ぼく」はこの後どうなるのか?二人のままなのか?一つになるのか?
想像力が試されるというのはいつもの村上春樹風だったのかなといった一冊でした。