今月は上下巻二冊を読みました。
8月に読んだ本
・風の群像 (著者)杉本苑子
実は直木賞受賞作の「極楽征夷大将軍を読もうかと思ったのですが
足利尊氏関連で他にないかと探していて見つけたのがこちらです。
尊氏自体は室町幕府を開いた人のイメージしか無くて、本書では上巻
の早いうちに鎌倉幕府が滅んでその後のドタバタ感が描かれています。
現在NHK大河ドラマでは、ムロさんの豊臣秀吉と佐藤慶太さんの
秀長の兄弟が力を合わせて天下統一を目指しており最後まで弟の
秀長を信頼し続けたのですが(弟に先立たれてから秀吉も歯止めが
きかなくなった感がありますが)、足利兄弟の場合は尊氏の我が子
可愛さの余りに弟と対立することに。。。
どちらかというと源頼朝・義経兄弟のように黒幕(後白河法皇)に
仲違いさせられて対立していくようでした。
(あとは尊氏参謀の高師直らの策とかも重なったようです)
を開いた当初(というか尊氏が征夷大将軍の頃)は名前だけだった
のかなと思わされて、二代将軍の義詮は「バカ息子」で尊氏の
側室の子で弟の直義の養子となって義父のために尊氏・義詮の
「親バカ」「バカ息子」コンビと戦い続けた直冬の方がカッコ良く
思えました。
どちらかというと争いを避けるように有利な状況で尊氏方に降って
最終的に勧められた毒で自殺する弟の直義の方が潔く描かれています。
小説は尊氏死去で幕を閉じますが、その後は義詮vs直冬はそんなに
激しい戦いも無く、一説には三代将軍義満とは和解をようなものが
取り交わされたということです。
意外と知らなかった室町時代の初期を知ることができた一冊でした。
尊氏の評価が爆下がりもしてしまいました。。。