2023年7月に読んだ本

今月も読み終えたのは一冊だけですが、少し前に読んで良かった作品も

紹介します。

 

7月に読んだ本

・楽園のカンヴァス (著者)原田マハ

 

以前に読んで良かった本

・ザリガニの鳴くところ (著者)ディーリア・オーエンズ

 

1.楽園のカンヴァス

 

  多分アートミステリーを読むのは初めてでした。

  アンリ・ルソーの「夢」に酷似した絵に対して、大富豪に招かれた

  二人の男女のキュレーター(学芸員)が真贋判断で争うことになる。

 

  一人はニューヨーク近代美術館の花形部門のチーフ・キュレーターで

  あるトム・ブラウンと1字違いのアシスタント、ティム・ブラウン。

  もう一人は日本人研究者の早川織絵。

 

  一冊のアンリ・ルソーに関することが書かれた7章の物語を1日1章

  一人ずつ個室で7日間読んでいき「夢」に酷似した絵の真贋を判断し、

  選ばれた方に絵を譲るというもの。

 

  その間にそれぞれの事情や第三者が絡んできたりして、最終的に

  選ばれるのは、といったストーリー展開です。

 

  冒頭は早川織絵(その後)と娘が登場し、もう少し親子関係の絡み

  などが物語に関わってくるかなと思ったのですが、そこはエピローグ

  的に登場しただけでした。

 

  まあ確かにピカソ等、絵画に興味のなかったものでさえ知ってる

  ビッグネームも登場しますし、そこがメインなのかなと。

  

  絵の事を知らなくても普通に事情を察しながら読んでいけるので

  とても良かったです。

  (知っていたらもう少し感情移入もできるかもしれませんが)

 

  なのでおすすめできる一冊です。

カバーの絵がアンリ・ルソーの「夢」です。

 

2.ザリガニの鳴くところ

 

  ・2019年・2020年アメリカで最も売れた本

  ・2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位

 

  ノースカロライナ州の湿地帯で男の死体が発見されたところから物語は

  始まります。そこに住む人々の疑いの目は一人の少女に向けられる。

 

 

  それは、この湿地に家族と一緒に移り住んできた末っ娘のカイア。

  アル中の父親の元で家族がみんな去っていき、最後は父親も去ってしまい

  一人で生きていくことになる。

  そこで友達(のちの恋人)から読み書きを教わり、湿地帯の生き物を

  調べることで生きることの意味を見出そうとする。

 

  しかし、彼女の美貌が恋愛をうみ、事件の容疑者となり、後半は裁判劇へと

  進んでいく。

 

  一人ではあるが、恋人や周りの親切にしてくれる数少ない仲間と共に

  成長していくストーリーと殺人事件の謎を追うミステリーとがうまく

  絡みあった良い作品だったと思います。

 

  「ザリガニの鳴くところ」とはどこか。